工房ネタが滞っていたので、やっと書けました。
今回は超強力 スプレーブースを自作いたしました。
スプレーブースというとプラモデル製作の塗装などで、エアーブラシを使うための塗装設備ですが、今回はスプレーガンまでまかなえる排気量のスプレーブースを自作いたしました。(製作費 1万円以下)
哲学堂工房では革小物を製作しておりますが、革の表面塗装や前処理などでスプレーガンの使用はほぼ必須のアイテムとなっています。エアーブラシと違って空気吐出量が大きいスプレーガンは、本来室内で使用するものではありません。よく車の板金塗装をする自動車整備工場で使用されているようなアレです。

革はプラモデルより大きく、自動車より小さいです。エアーブラシではどうしても時間がかかり、大量生産には向かないため、スプレーガンを使う他ありません。吹きつける面積も異なるため、仕上がりがどうしても異なってしまいます。

少し困った点は、製作は工業用ミシンも使って製作しますので、室内でほぼ作業するわけですが、製作を始める前段階の革の調子を整える作業は、半分屋外のような環境が向いている点です。もちろんガスマスクをつけての作業になりますが、室内と屋外を行き来するのも面倒ではあるのです。
しかも、トップコートという仕上げ塗装をする場合は、水性のものもありますが、有機溶剤が使われているものもあり、引火性がありますので危険を伴っています。室内で有機溶剤を吹いたらいつか引火し爆発すると思いますので、くれぐれもご注意ください。スプレーブースでもダメです!(ファンを電気で動かしているので爆発の恐れあり)有機溶剤が含まれているものを吹くときは、換気のよい屋外で絶対に作業しましょう!
厚生労働省のサイトにあります、労働災害事例にスプレーガンの事故の例が記されております。
事例では広い倉庫であっても、近くでドライヤーを使っていたり、一歩隣で電気ストーブを置いて暖をとっていたりと、引火性の配慮が足りない行為が重なった事故のようです。
私自身も水性の物だけをスプレーブースで吹いております。自分がこれからどのような液体を吹くのかは、商品のGHSマークを確認してみてください。当の液体や塗料の製造元は販売・譲渡するにおいてラベル表示が義務付けられているので、確認するようにしてください。(一般社団法人 日本塗料工業会ホームページから引用)



またスプレーの霧は非常に微細ですので、ガスマスクは必ず装備しましょう。
ファンは何を選ぼう?
スプレーブース作成において、重要となるのが使用するファンを選ぶことかと思います。ここで吸引力が決まります。PCを冷却するような小型のファンからエンジンのラジエーターファンや有圧換気扇まで大型のものを使って作ることは可能です。いくつか参考に載せておきます。






どのくらいのサイズのものを製作するかによりますが、スプレーガンを使用するなら、PCファンのような小さいものではほぼ役に立たないので、それよりも大きいファンを選ぶといいでしょう。
たまたま非常に安く手にはいった三菱 窓用換気扇 E-25WHを使ってスプレーブースを作ります。
スプレーブース 作成~
まずは換気扇を中央部に設置すべく固定していきます。

くりぬてい合わせます。
こちらの換気扇は窓用なので、シャッターが付いておらず好都合なのです。



強力接着剤だけでなく、木材を挟んでネジで固定しています。

つぎにはハニカムフィルターを手前に設置します。
大型なので複数枚のハニカムフィルターを合体させて作りました。


形を整えたら、外枠も付けて強度を強くし、また汚れたらフィルターだけ交換できるように設計しておきました。

次にダクトの設置です。


ダクトコネクターとセットのものがおすすめです。
100mmと150mmの物があります。150mmをチョイス、ちょっと小さかったかな200mmの方がより効率がよかったかもしれません。


ハニカムフィルターを入れると下のようになる。
想定図


換気扇の四方を埋めて、給水スポンジを貼りつけます。(ダンボールは水に弱いため)


先ほど作ったハニカムフィルターを入れると


ピッタリはまります。

ビーバーオリジナル ハニカムフィルター 3枚セット


消耗品なので安いものがおすすめです。


斜めに立て掛けて、スプレーする台を設置。
ダクトにホースを固定して窓の外へ、空気がでるようにして完成です。
サイズは縦50cm横50cm
換気扇の目の前でスプレーしている感じで、粉塵も全部吸い込んでくれます!跳ね返りもありません。
レザークラフトでスプレーガンは大活躍
レザークラフトにおいて、スプレー設備はかなり大活躍します。
革の染色も、手で行うよりも仕上がりが自然で綺麗にしあがりますし、床面の処理も断然綺麗で早いです。
いくつかスプレーを使った動画をインスタグラムに投稿しております。
興味がありましたらどうぞ登録して見て頂ければ幸いです。
次はyoutube用に動画を作ろうかとも思っております。
どうぞ今後とも宜しくお願い致します。
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