ハイデガーと哲学の可能性

森 一郎 著
2018年8月24日 発売中
法政大学出版局

ハイデガーと哲学の可能性

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『存在と時間』はどう書き継がれるべきか? ハイデガーの思考に拠りつつ、それを超えて哲学に意味を見出すことはいかにして可能か? 日本のハイデガー研究を牽引する著者が、カント、マルクス、アリストテレスの今日的読み直しも含め、言語、世界、死、時間、技術、労働、政治といった問題群に真正面から切り込んだ全16章の探究。「愉しい学問」の実践!(引用)


凡 例
第I部 自己と世界
第一章 ハイデガーにおける形式的暗示について
一 語り方の問題
二 「解釈学的直観」の生成
三 『存在と時間』における問いの構造とその遂行意味

第二章 死の明証
一 死に関するデモクラシーと、死の管理体制
二 死を飼い馴らすことと、死によって飼い馴らされること
三 死の経験可能性と、死のリアリティー
四 他者の死と、そのひとごとならなさ
五 「我死につつ在る」という語りと、その遂行的明証性

第三章 自発性の回路 『存在と時間』における世界概念の再検討
一 ハイデガーの「世界」概念の問題性
二 「適所を得させること」と「自己を指示しむけること」
三 自発性の回路としての「有意義性」

第四章 感受性と主体 カントの尊敬論から
一 「主体」という問題
二 主体における自己服従の回路
三 感受性と主体-支配と服従の間

第五章 哲学的言説のパフォーマティヴな性格について
一 現象学の方法的アポリア?
二 「ふるまい」としての語り
三 パフォーマンスとしての哲学
四 気分とレトリック

第II部 時間とその有意義性
第六章 配慮される時間 ハイデガーの世界時間論
一 世界と時間
二 世界時間という蝶番
三 世界時間のまったき構造

第七章 時計と時間
一 時間が「客観的」に与えられる現場
二 尺度としての時計
三 〈尺度するモノ〉と〈尺度されるモノ〉
四 尺度における反照規定
五 時計と時間

第八章 時間の有意義性について
一 陳腐な教訓か、時間論の根本問題か
二 時間の有意義性の意味するもの
三 有限性と〈死への存在〉
四 限りある〈いのち〉の限りなさ
五 有限性への抵抗と、時間のエコノミー

第九章 技術と生産 ハイデガーからマルクスへ
一 ハイデガーとマルクス?
二 技術への問い
三 集立と資本
四 時間のテクノロジー
五 テクネーはスコレーのために

第III部 哲学と政治
第十章 哲学の実存 ハイデガーとアリストテレス
一 実存の哲学と哲学の実存
二 理論と実践の対立の起源へ
三 ソフィアかフロネーシスか
四 観照的生と近代

第十一章 ハイデガーにおける学問と政治 『ドイツの大学の自己主張』再読
一 「ハイデガー問題」とは何であったか
二 『ドイツの大学の自己主張』は何を主張しているか
三 「学問の原初的本質」はどこまで原初的か
四 ハイデガー問題からソクラテス問題へ

第十二章 労働のゆくえ 「ハイデガーからアーレントへ」の途上
一 ハイデガーのマルクス論と労働概念
二 勤労奉仕を奨励する学長
三 労働の擬似存在論
四 労働批判としての「総かり立て体制」論
五 労働者はどこへ?

第十三章 出来事から革命へ ハイデガー、ニーチェ、アーレント
一 始まりの思索者たち
二 反時代的な脱現在化から、近代そのものの批判へ
三 大いなる出来事としての哲学革命
四 新しきものへの自由-将来は原初にやどる
五 『出来事について』から『革命について』へ

第IV部 哲学の可能性
第十四章 共‑脱現在化と共‑存在時性 ハイデガー解釈の可能性
一 存在者と存在、物と世界
二 『存在と時間』における存在者論
三 「もとでの存在」の問題点と、脱現在化
四 物の「共‑脱現在化」の働き
五 物は何を語るか-『マルテの手記』の一節から
六 本来性と非本来性との絡み合い-渡邊二郎の解釈
七 『存在と時間』における「共‑存在時性」の問題群
八 「隔世代倫理」へ-原爆ドームを手がかりに
九 「反‑存在時性」の爛熟-3・11以後

第十五章 政治に対する哲学する者たちの応答可能性 ハイデガーの事例を手がかりに
一 ある戦中と戦後の間-『注記』拾い読み
二 準備的考察-責任の所在
三 政治に対する哲学する者たちの応答可能性
四 われわれの政治責任

第十六章 『存在と時間』はどう書き継がれるべきか
一 夢を追い続けて
二 では、どのようにして書き継ぐか
三 「前半」はどう終わっていたか
四 二通りの暫定的結論めいたもの
五 「時間性のある本質上の時熟可能性」
六 歴史性と時間内部性の絡み合い
七 四方界の反照‑遊戯
八 共‑存在時性の問題群

あとがき
初出一覧
人名索引
著作名索引
事項索引

エコラリアス

言語の忘却について
ダニエル・ヘラー=ローゼン 著
関口涼子 訳
2018年6月8日 発売中
みすず書房

エコラリアス

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「エコラリアス」とは、「エコー(反響)」+「ラリア(話)」の複数形で「反響言語」と訳される。言葉はいつも消えてしまった言葉のエコーとしてあり、失われた言語が響いている。忘却は創造の源であるとともに流離こそが言語の核心であることを明かす。フランス哲学のデリダ的脱構築とフーコー的アルケオロジーを継承し織り成す言語哲学の一冊。

第1章 喃語の極み
第2章 感嘆詞
第3章 アレフ
第4章 消滅危惧音素
第5章 H&Co.
第6章 流離の地で
第7章 行き止まり
第8章 閾
第9章 地層
第10章 地滑り
第11章 文献学の星
第12章 星はまた輝く
第13章 ニンフの蹄
第14章 劣った動物
第15章 アグロソストモグラフィー
第16章 Hudba
第17章 分裂音声学
第18章 アブー・ヌワースの試練
第19章 船長の教え
第20章 詩人の楽園
第21章 バベルの塔
解説 ダニエル・ヘラー=ローゼンとは何者か?
訳者あとがき
原註
参考文献

近代日本語の形成と欧文直訳的表現

八木下孝雄 著
2018年5月31日 発売中
勉誠出版

近代日本語の形成と欧文直訳的表現

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「バタくさい」文章はどのようにして生まれたか?
近代、西欧の言語は、日本語の語彙・文法・文体等に大きな影響を与えた。
とくに、欧文を直訳的に翻訳した表現は、新たな発想を促し、表現構造を産むことで、日本語を活性化させてきた。
今もなお日本語に根付く欧文直訳的表現は、外国語を受け入れるなかで、どのように生成・受容されてきたのか?
英語教育における欧文訓読を鍵に、文・句・文法のレベルで翻訳を捉え、近代語の成立過程の一端を明らかにする。
(引用)

はじめに
序章
第1部 英語教育・英語学習における訳出法
第1章 New National 1st Reader における訳出法
第2章 New National 2nd Reader における訳出法
第3章 New National 3rd Reader における訳出法
第4章 第1部のまとめ

第2部 翻訳文における訳出法
第1章 The Boscomb Valley Mysteryの翻訳における訳出法
第2章 Self-Helpの明治期翻訳における訳出法
第3章 第2部のまとめ

第3部 翻訳以外の文章における欧文直訳的表現
第1章 夏目漱石の文章における欧文直訳的表現
第2章 芥川龍之介の文章における欧文直訳的表現
第3章 第3部のまとめ
終章