蔵書家・愛書家

前回の『パラフィン紙 グラシン紙 ブックカバー』を書いてから、1年の放置期間がありましたが、今回やっと更新できました。優先の仕事があったり、資料を集めていたこともあり遅れてしまいました。引き続き少しずつ進めていければと思います。

■ 蔵書家・愛書家

人が物を集めたり、収集する行動は生得的なものか、環境に生きる過程から獲得した欲求のためか、はたまた代償行動の一種なのかは定かではありませんが、それらが目の前にあったり、積まれていたりするのを見るのはとても刺激が強いものです。ここでは「本」を中心の話題にしていきたいとおもいます。

最近話題として上がった「積読(つんどく)」という言葉があります。気になった本を買ったはいいものの、読まずに机の上に積んだままでいることや、読み通すことなく置いておくことを「積読」と呼んだりします。はたから見たら何のために買ったのか?無駄遣いではないのか?と思えてしまいますが、一方で知的刺激を与えてくれる側面を持っているとも言えます。

人はこの本を読んだら次はこの本を読もうという順番をどこかで決めていることが多いはずです。そうすることで知的欲求が途切れることなく、ある意味で意欲や活力が維持され得るところがあるようです。またプライミング効果を引き合いに出して語られるなど、肯定的な論調が多いというもの特徴であるように思います。

この側面はとても重要で、コレクション・収集とはなんでもいいから集めるものではなく、さまざま物の中から「私が好きなもの」、「私が気に入ったもの」を選び、自分の手元に置いておく物とするならば、その物はそれ自体から意欲を得る機会を受ける側面があると言えるかもしれません。

しかし、当の「私の好きなもの」、「私の気に入ったもの」そのものに対する理性的な省察をどこかで怠ってしまうと、収集する行為が即欲求を満たすものにすり替わってしまう危険性があることも指摘しておく必要があるかもしれません。 もしかしたら積読や収集とうまく付き合っていかないと、気が付かぬ間に病的な事態へと陥っているかもしれません。というのは、愛書家を指すビブリオフィリア(Bibliophilia)という言葉の他にビブリオマニア(bibliomania)という「蒐集家」「猟書家」「書物狂」などと訳される言葉もあるからです。

2018年7月29日のBBC Newsに記載された「Tsundoku: The art of buying books and never reading them」の記事においても、ビブリオマニア(bibliomania)に触れている箇所があります。

ビブリオマニア(bibliomania)という言葉は、1809年に出版された書誌学者のトマス・フログナル・ディブディンの『書物狂(Bibliomania Or Book-Madness)』において、本を集めるのを止められない行動:蔵書癖を表す言葉として使われておりました。ディブディン自身はユーモアを交えながらも、記事にはビブリオマニアという言葉にオブセスト(obsessed):”取り憑かれている”という表現を使用しており、現代でいうところの強迫観念のようなニュアンスが込められていたとみています。
※Thomas Frognall Dibdin 『Bibliomania:Or Book Madness』Cambridge University Press

しかし、2世紀が経つにつれ、英オックスフォード大学出版会によれば、ビブリオマニアという言葉は強迫観念について表した言葉ではなくなり、収集への「情熱的熱意」へと意味を変えてきたといいます。オックスフォード大学出版会のTwwiter公式アカウントOxford DictionariesにはBibliomania: passionate enthusiasm for collecting and possessing booksとツイートされてもいます。

「ビブリオマニア」と「積読」には似たような側面があるけれども、前者にはただコレクションを作るという意図が先行する事態を指すのに対して、後者は本を読みたいという意図により結果、偶発的にコレクションが出来ることの相違を指摘しています。

通常のコレクターを「愛書家」と言うときはビブリオフィリア(Bibliophilia)という言葉が使われます。海外では紀元前から、日本では17世紀ごろからそういったコレクターの歴史が見られるようになります。当然、紀元前からパピルスや羊皮紙(パーチメント)・ヴェラムを使った本が作られていた西欧諸国に愛書家傾向のある人物の登場が早いのは言うまでもありません。

以下 紀元前頃の蔵書家・愛書家を取り上げてみます。


■新アッシリア王国時代のアッシリア王 アッシュールバニパル(Ashurbanipal)
(紀元前668年-紀元前627年頃)

パピルス文書や粘土板収集に熱中した王として知られており、一大文庫を創造し図書施設を建設したといわれています。1852年、考古学者オースティン・ヘンリー・レイヤードのアシスタント ホルムズド・ラッサムによりアッシュールバニパルの宮殿跡から多数の文書記録の発見により、その名に因んでアッシュールバニパル図書館、または首都の名に因んでニネヴェ図書館と呼ばれています。

※アッシュールバニパルの臣下 ナブー(Nebo)
代々続く学者の家に生まれ、家に伝わっていた蔵書を多数所有していたとされる。この蔵書がアッシュールバニパル図書館の母体になったとも言われています。


■古代ギリシャ アテネの僭主 ペイシストラトス(Peisistratos)
(紀元前6世紀頃–紀元前527年)

僭主政 の僭主であったペイシストラトスは、アリストテレスの『アテナイ人の国制』によると博愛で温和かつ民主的であったと伝えられています。また国内ではじめて公共図書館を設けたといわれています。


■古代ギリシャ 哲学者 アリストテレス(Aristotle)
(紀元前384年-紀元前322年)

アリストテレスは学園リュケイオンを開設、同時に大文庫も持っていたといわれているが蔵書数や所在について不明となっています。一説にはアリストテレスの死後、学園リュケイオンを引き継いだ弟子のテオフラストスに渡り、さらに学園の書誌長ネレウスの手に移ったといわれています。またちょうどそのころ紀元前2世紀 ペルガモン王エウメネス2世が羊皮紙の生産を開始することになります。羊皮紙誕生の地ペルガモンと呼ばれるように、時代は書写や書物の収集が盛んな状況になり、学園の大文庫も強奪の恐れがあったため土中に隠したとか、テオスのアペリコンという富豪に売渡したともいわれています。アペリコンは第三次マケドニア戦争でデロス島の軍司令官を務めるが、ローマ軍に敗れ文庫はローマに移されたとか、エジプトに渡ったとも言われています。


■プトレマイオス朝エジプトのファラオ プトレマイオス2世(Ptolemy II Philadelphus)
(紀元前308年-紀元前246年)

古代最古の二大図書館のひとつアレクサンドリア図書館を創設した プトレマイオス2世は、パピルスの収集に熱心で、ギリシャはもちろんアジアにまで人を派遣し費用を惜しまず書物を集めさせたといわれています。跡を継いだプトレマイオス3世にいたっては、エジプトに入港する船に書物があると、すぐさまその本の写本を買取ったり、場合によっては原本を取り上げて写本を返すという暴挙を行うこともあったといいます。当時エジプトはパピルスの生産地であり、写本を通して書物の一大生産者でもあったことから地中海の各地から学者たちが集う地でもあったのです。かのユークリッドやアルキメデスが学んだともいわれています。


■アッタロス朝の君主 エウメネス2世(Eumenes II)
(紀元前197年-紀元前159年)

古代最古の二大図書館のもうひとつペルガモン宮殿図書館を創設・拡張したエウメネス2世は、アレクサンドリア図書館と蔵書数を競い合ったともいわれています。争いあう中で、エウメネス2世はアレクサンドリア図書館の館長であったアリストファネスを引き抜こうとしたため、プトレマイオスの怒りをかいパピルスの輸出を止められてしまうことになります。しかし、代替品を捜し求め、羊やヤギの革を使った羊皮紙(パーチメント)やヴェラムを使用することにより大きく書物の歴史を変えることになりました。


■古代ローマの軍人 ルキウス・アエミリウス・パウルス・マケドニクス(Lucius Aemilius Paullus Macedonicus)
(紀元前229年-紀元前160年)

第三次マケドニア戦争でローマの勝利に導き、マケドニア王ペルセウスを捕縛する成果を上げる中、マケドニア国内の財産をローマの名のもとに没収したとされます。没収した物の中に書物が多数含まれており、これがローマにおける蒐集のはじまりともいわれています。後に書物は息子(小スピキオ)に引き継がれていくことになります。


■古代ローマの軍人 ルキウス・コルネリウス・スッラ(Lucius Cornelius Sulla)
(紀元前138年-紀元前78年)

第一次ミトリダテス戦争時に大軍を率いてアテネへ侵攻した軍人。戦利品として神殿の財宝や私財を没収するなかで、アリストテレスやテオフラストスの文庫の本も持ち帰ったという。後にアテネに移り住み、アテネの復興に力をいれ、同時代の蔵書家アッティクスとも親交があったといわれています。


■古代ローマの軍人 ルキウス・リキニウス・ルクッルス(Lucius Licinius Lucullus)
(紀元前118年-紀元前56年)

ティグラノセルタの戦いでアルメニア軍を破り、戦利品として書物を多数持ち帰り邸宅に置いていたといわれています。知友や学者の閲覧を許可していたことから、ローマの貴顕紳士のあいだで書物を尊重する流行がおこったといわれています。


■古代ローマの学者・著作家・政治家 マルクス・テレンティウス・ウァロ(Marcus Terentius Varro)
(紀元前116年-紀元前27年)

著作家として生涯で74の作品、約620巻を記したと推測されているが、そのうち完全な形で残っているのは1作品のみとなってる。法務官を勤めるなど政治家としても活動していたが内戦に巻き込まれて最終的には追放されることになる。これに伴い蔵書を含む多くの資産が失われたといわれています。


■古代ローマの知識人 ティトゥス・ポンポニウス・アッティクス(Titus Pomponius Atticus)
(紀元前110年-紀元前32年)

キケロとは幼馴染の間柄で、蔵書を多数もっておりキケロと同じく奴隷に文庫管理や写本係・校訂係が居たともいわれています。自ら出版業も始めたり、アテネでは ルキウス・コルネリウス・スッラとも親交があったといわれています。


■古代ローマの政治家・文筆家・哲学者 マルクス・トゥッリウス・キケロ(Marcus Tullius Cicero)
(紀元前106年-紀元前4年)

雄弁家キケロとも呼ばれたりするように、修辞学(レトリック)においも名が知られているキケロですが、本の蒐集にも熱心だったようです。蔵書にはアリストテレスの『トピカ』があったとか。また膨大な自分の本の整理にギリシャ人奴隷を使って管理していたともいわれています。


有名どころを見てきましたが、紀元前頃の蔵書家・愛書家の傾向を省みると、国家君主や軍人・貴族などの身分の高い家柄の人物が多く、図書館を作るなどの公共性を帯びた形を取る場合が多く見られます。帝政時代・中世は割愛いたしますが同様な傾向が見受けられます。

以後、ローマの都がコンスタンチノープルに移り、東方と西方との学術上の連絡が絶たれたり、キリスト教が盛んになるにしたがって異教徒の研究が抑圧されはじめると共に西ローマ帝国の衰退が始まると、イギリスを除く西欧は通称暗黒時代へと突入していくことになります。徐々にキリスト教の影響が強くなることで、本の蒐集は修道院・教会の手にゆだねられ、修道士・司教の最大任務とされることもあったといわれています。主にトルコのカイザリアの修道院、アルジェリアのヒッポの教会、ヒルデスハイム修道院、テーゲルンゼー修道院、イタリアのモンテカッシーノ修道院での蒐集活動が知られています。しかし、キリスト教会の権威が強く、異教徒の文学や古代ギリシャ・ローマの古典は、発見次第これを破棄したこともしばしばあったといわれています。(見向きもされず放置されていたものも多数あり、ルネサンス時に再発見されていきます)

ビブリオマニア(bibliomania)の登場は、ルネサンスを経て18世紀まで待たなければなりません。
ウィリアム・ヤンガー・フレッチャーの『イギリスの蒐集家』には、イギリスの蒐集家について記されていますが、その内9人が大司教であり、公爵6人、伯爵12人、男爵9人、勲爵士5人、牧師7人、弁護士5人、医師4人、作家10人、官史5人、商人5人となっています。これまで大司教や貴族が蒐集任務であったり、趣味であったものが、時代を経ることで学者や医者、政治家、批評家などの間にも広がり、個人文庫がいくつも作られるようになっていくことがうかがえます。※William Younger Fletcher 『English Book Collectors』 London.Forgotten Books

特にビブリオマニア(bibliomania)的な、本を読むための蒐集ではない目的が先行してしまった事例が登場するのはこの時代から見受けられるようになっていきます。


リチャード・ヒーバー(Richard Heber)1773-1833年
イングランドの書籍蒐集家としられている彼は、各地に8軒の家(倉庫)を所有し、蔵書は10万冊を超えていたといわれています。特徴的なのは少年時代から蒐集が始まり、同じ本を3冊保有することを謳っている点といえましょう。彼曰く「同じ本を3冊、一冊は見せるため、もう一冊は使うため、もう一冊は貸すために所有できないのなら真の紳士ということはできない」という言葉を残しています。30年のあいだロンドンの競売場に顔を出さぬことはなかったといわれるほど、 書物狂(bibliomania)であったといわれています。


トーマス・フィリップス卿(Sir Thomas Phillipps)1792-1872年
世界最大の写本収集家と知られ、英国史上最大の個人コレクションを所有していたといわれています。収集活動の詳細は書誌学者などに研究され、アラン・ノエル・ラティマー・マンビーの『フィリップス研究 全5巻』に記録がのこされています。彼の収集の動機は、パーチメントやヴェラムの本に、心ない業者に粗末に扱われるのを阻止するために始めたようで、珍しい本を買っても読もうとはせず、相当数が荷造りされたまま置かれたあったといわれています。
※A.N.L.Munby 『Phillipps StudiesⅠ-Ⅴ』Cambridge University Press.


ジョン・バグフォード(John Bagford)1650-1716年
もともとは靴屋を営んでいたが、本業が成功していなかったため、ロンドンのホルボーン、オランダのハールレム、アルステレルダムの本取引市場で活動するようになったといわれています。また当時のコレクターや古物研究者と交流しながら、後のロンドン古美術商の創立会員の一人として活動もしています。古美術商であった傍ら蒐集家でもあった彼はいささか変わった物を集めていたようです。彼が集めていたものは本の標題紙と奥付のページのみであり、本から切り取って集めるという、一風変わった収集をしていたといわれています。このように本の一部を破壊して収集する行為をビブリオクラスト(Biblioclast)と呼ばれ、彼の場合はイギリス古美術商の名を利用してドイツ、フランス、オランダの各図書館を歴訪し、珍書、稀書から館員の眼を盗んで盗み取っていたようです。
後の書誌学者ウィリアム・ブレイズ(William Blades)1824年-1890年は、『書物の敵』でこのような行為を痛切に批判しています。
※William Blades 『The Enemies of Books』London.Macdonald General Books


以上の3名はかなり重度な例を取り上げましたが、現代では一般に本を骨董品(アンティーク)のように取り扱うことはめずらしくありません。湿気から守るために本棚を木製にしたり、すこし気にかけるくらいのことは一般的であったりします。また日本では独特のブックカバー文化が生まれており、日焼け対策としてグラシン紙で包む行為は欧米よりも一般的であるといえましょう。

この点でもっとも影響を与えたのは大正・昭和と続く新潮文庫や角川文庫、岩波文庫にみられるグラシン紙でしょう。新潮文庫や角川文庫は比較的早く、岩波文庫は1983年5月まで、ブックカバーの前身としてグラシン紙がその役割を担っていました。当時は包み紙の延長であっただけなのかもしれませんが、包装の透明性や安価であることからも定着していったと考えられます。

次回はブックカバーの歴史について書いていきたいと思います。

哲学堂書店 浦山幹生

映画「道草」9月28日 東村山中央公民館 上映のおしらせ

ドキュメント映画 「道草」

監督:宍戸大裕

道草 ポスター表道草 ポスター裏

9月28日 東村山中央公民館で上映いたします!

※ バリアフリー字幕付上映


詳しい上映情報はこちらをご覧ください

当日券:900円 (前売り券700円)

開場 9:45分
開演 10:15分

※前売りチケット取扱所

社会福祉法人山鳩会 各事務所
ひなたの道 東村山市廻田町1-15-1
あきつの園 東村山市秋津町5-11-15
なごみの里 東村山市恩多町5-38-4
みどりの森 東村山市諏訪町1-27-2

昨今、ノーマライゼーションやインクルージョンが話題になることが多くなったように思います。厚生労働省の調査によりますと平成29年には福祉施設の総数は全国で約7万を超え増加しているようです。福祉施設といえど、老人・(精神)障害・身体障害・児童福祉と数多く含まれておりますが、ここでは障害者支援の話題に限定して話を進めていきたいと思います。

かつて日本では障害者支援施設が身近になかったため、「私人が行政庁の許可を得て、私宅に一室を設け、精神病者を監禁する」という制度が存在しておりました。家族が届出を出して特に精神障害者を自宅で監禁し外に出さない私宅監置が行われていたといわれています。ここに社会的な排除が行政によって管理されていた歴史が1950年ごろまであったことを省みますと、私たちは意識のどこかに、知らないがためにどのように接すればいいのかわからない事態を生んでいるのかもしれません。

話題のインクルージョン・クラスルームやインクルーシブ・エデュケーションを安易に賛同するつもりはありませんが、私の通っていた都内の小学校には「すぎの子」という軽度の障害がある児童生徒が通う通級指導学級が片隅に設置されており、関わりが断ち切られていない環境であったため、幸いにも今なお頭の片隅に生き続けているといえます。無理に一緒の教室内でなくとも、同じ校舎に居るということはとても大きいことのように思います。

しかし現代はもっと根底に問題の根があるのかもしれません。ポストモダンという言葉で表現されるような、根本的な人間観の混乱を尻目に、一人歩きしてしまう経済合理性とその画一化による価値観の硬直は、この場合例え障害者への理解を促したりしても排除が消えることはないように思います。ジャック・ヤングの『排除型社会』で指摘しているような、後期近代社会のある意味での社会的破綻は緩やかに進行していかざるを得ないのかもしれません。2018年に起きた南青山の児童相談所建設反対運動はヤングが指摘するような”安易な本質主義”の典型に見えますし、一方で包摂の急務から社会保障および福祉施設等が増え続けている事態は、昨今の財源問題と繋がるところがあるように思えます。そしてそこには上から為される包摂と税全般に対する”安易な本質主義”との齟齬が現れているように思います。

映画「道草」は宍戸大裕 監督による知的障害がある方の自立支援にスポットを当てたドキュメンタリー映画です。特別なことが起こるわけでもない日々の日常、しかしそこには私たちの普段の生活にはない、知らない人には知らない現実が映されています。

1981年国際連合の「国際障害者年行動計画」の中では、「ある社会がその構成員のいくらかの人々を閉め出すような場合,それは弱くもろい社会なのである」とうたっています。

日本が弱くもろい社会へと向かっているのかどうかはわかりませんが、2016年 福祉施設入所者19人を刺殺した相模原障害者施設殺傷事件や 2018年の省庁及び地方自治体等の公的機関で障害者雇用水増し問題にみれられるような、包摂の名の下で起こるある意味での偽善への抵抗の術がないことから、関連する事件の数々は私たちの内心を表す鏡として受取ることができそうです。

カウンセリングの祖といわれるカール・ロジャースはカウンセラーに求められる資質として「人間的可能性をもつひとりの人への無条件の肯定的な眼差し」を上げていますが、この点はカウンセラーに関わらず私たちの他者や自分自身への可能性への期待や希望の欠落は、いろんなところで何か困難が生じてしまうように思います。

哲学堂書店 浦山幹生

2019年 神保町 涼風古書市 参加のお知らせ

2019年 神保町 涼風古書市へ

哲学堂書店の参加が決定いたしました!

 

2019年8月23日(金)~9月9日(月)

三省堂書店神保町本店 8階特設会場

各日10時~20時まで営業しております。

全国から19店舗が参加いたします。

哲学堂書店が参加しております。

哲学・思想・政治・社会・精神 ジャンルの古書を多数出品予定です。

ワゴン2台で大量放出を予定しております。

ご来店お待ちしております。

哲学堂書店 浦山幹生

現代哲学のキーコンセプト 非合理性

現代哲学のキーコンセプト 非合理性
リサ・ボルトロッティ 著
鴻 浩介 訳
2019年7月24日 発売中

amazonで見る⇒現代哲学のキーコンセプト 非合理性
紀伊國屋書店で見る⇒現代哲学のキーコンセプト 非合理性

理性の営みとしての哲学にとって、「非合理性」はある意味で最も重大なテーマだ。本書は、精神医学や心理学、行動経済学などの成果を参照しながら、非合理性に関する常識を批判し、この多義的な概念の諸相を分析する。人間の不可欠の部分として非合理性を位置づけ、情動、認知、判断、幸福や人生の意味などのテーマに新たな光をあてる。(引用)

序 論
本書の計画
本書の方法論
いくつかのテーマ
本書の構成

1 非合理性と解釈
1.1 ふるまいを予測・説明する
1.2 合理性か,それとも理解可能性か?
1.3 推論の体系的な誤り
1.4 限界をもった存在にとっての合理性
1.5 合理性と信念の本性
結論と含意
文献案内

2 非合理性と心の健康
2.1 狂気とは合理的でないことか
2.2 狂気とは病んでいることか
2.3 精神医学の診断における非合理性
2.4 非合理性と行為の責任
2.5 非合理性,心の健康,そして行為者性
結論と含意
文献案内

3 非合理性と選択
3.1 感情と意思決定
3.2 感情と道徳的な行為者性
3.3 直観と意思決定
3.4 知恵と熟練
結論と含意
文献案内

4 非合理性と世界
4.1 認識的な合理性と科学
4.2 現実から乖離した信念
4.3 記憶の歪曲と自己物語
結論と含意
文献案内

結 論――非合理な人間の行為者

参考文献
日本語参考文献
解説 非合理性と合理性の伸縮……………一ノ瀬正樹
訳者あとがき

第五回 哲学プラクティス連絡会 開催のお知らせ

哲学プラクティスとは、おもに対話という方法を用いながら、哲学的なテーマについて共同で探求する実践的な活動をさします。哲学プラクティス連絡会は、哲学プラクティスの普及と発展、実践者や研究者の相互の交流をはかることを目的として、2015 年に発足した連絡会です。

第五回を迎える 哲学プラクティス連絡会が8月に開催いたします。

■会場
立正大学品川キャンパス3号館 1・2階
東京都品川区大崎4-2-16
アクセス
大崎駅、五反田駅から徒歩5分
大崎広小路駅から徒歩1分

■参加費
一般:2,000円
学生:1,000円
高校生以下無料
*ご参加にあたり、「哲学プラクティス連絡会」参加費を当日会場にて貰い受けます。
*学生の方は、当日、受付にて学生証のご提示をお願いします。

当該分野に関心のある方、どなたでも参加いただけます。

曜日別プログラムはこちら

※詳しくは、哲学プラクティス連絡会をご覧ください。

人間本性論 第2巻

情念について
デイヴィッド ヒューム 著
石川 徹,中釜 浩一,伊勢 俊彦 訳
法政大学出版局
2019年7月23日 発売中

amazonで見る⇒人間本性論 第2巻 〈普及版〉
紀伊國屋書店で見る⇒人間本性論 第2巻 〈普及版〉

第1部 誇りと卑下について
主題の区分
誇りと卑下について―それらの対象と原因
これらの対象と原因は何に由来するか
ほか…

第2部 愛と憎しみについて
愛と憎しみの対象と原因について
この体系を強化する実験
諸困難の解決
ほか…

第3部 意志と直接情念について
自由と必然性について
同じ主題(自由と必然性)の続き
意志に影響する動機について
ほか…

語源から哲学がわかる事典

山口 裕之 著
日本実業出版社

amazonから見る⇒語源から哲学がわかる事典
紀伊國屋書店から見る⇒語源から哲学がわかる事典

◆哲学が難解なのは哲学用語(翻訳漢語)の難しさにあります。理性・悟性・感性、存在・本質・実体・実在、主観・客観、表象・抽象、観念……。
これらのうち、たとえば定番の「理性」は英語ではどういう語を当てているかというと、「reason」という日本の中学1年レベルの英単語なのです。
これは英語のネイティブにとっては小学校低学年の日常語。「理由を付けて考える能力」という意味です。また、「理性」よりより難解に見える「悟性」は 「understanding」。
これまた「理解力」という意味の普通の言葉なのです。ちなみに、存在・本質・実体・実在は、英語ではそれぞれ、being、essence、substance、existenceとなる。

◆“脱亜入欧”の思潮のもと、明治の先人たちは“和魂洋才”(技術は学ぶが、精神を学ばない)にかまけていたのではなく、哲学のような魂、
精神についても必死で吸収しようとしていました。その結果として哲学の用語についても懸命に日本語(漢字)に翻訳しようとしていたのです。
哲学用語はその性質上、抽象概念を説明する語であり、漢語での翻訳とも相まっておそろしく難解な語となったという経緯があります。
その訳語には、仏教や儒教の考えを援用した部分もあったため、わたしたち日本語の話者・読者が日常では使わないような難解な漢字が当てられたこともあるでしょう。

◆本書では、この点に着目し、114の基本的な哲学用語の語源にさかのぼって、意味の推移、翻訳、文脈などを解説しています。
「用語」からスタートして、「概念(哲学の中身)」、さらに「哲学史」の三位一体で理解できる本邦初の哲学入門です。
本書で西洋哲学の全体像とそれが何を問おうとしたのかがつかめるようになっています。
また、一念発起、哲学書の原典(翻訳書)を手に取ってはみたが、まるでチンプンカンプン、いろいろな入門書を読んでみてもなかなか要領を得ないという読者にも、
初めて哲学書を読める・わかるきっかけとなるものを目指しています。哲学書を読む際の必携書となるように、巻末には解説付きの索引を設けました。(引用)

◆目次
序 章 この本にはどんなことが書いてあるか
第1章 哲学: Philosophy 知を愛さずにはいられない
第2章 認識: Knowledge 「人それぞれ」ではありません
第3章 存在論: Ontology 「~がある」と「~である」のせめぎあい
第4章 神学: Theology 哲学のご主人様は神様
第5章 認識論: Epistemology 「私」は神様
第6章 哲学する: Philosophize 「自分で考えることが大切」という意味ではない

蔵書家 江戸篇 メモ

西欧において神聖ローマ帝国 マインツでヨハネス・グーテンベルクが発明した活版印刷は、1450年~1490年の40年の間に現ドイツ・フランス・イタリア・イングランド・ポーランド・ホベミアにいたるまで、200の都市に配置され普及したといわれています。しかしほどなくして、印刷技術は驚くべき速さで広まりましたが、市場はすぐさま飽和状態に陥り、印刷事業に乗り出した人々の大半が廃業を余儀なくされたそうです。

実際、グーテンベルク自身も似た事態に陥り、印刷事業の舞台から姿を消しています。グーテンベルクは活版印刷技術の発明者とも活版印刷で初めて聖書を印刷した人物と紹介されますが、その聖書の印刷に伴い膨大な資金が必要となりヨハン・スフトという出資者の協力が必要になりました。しかし後々初期費用の回収に時間がかかり出資者スフトから訴訟を起こされ、グーテンベルクは自身の印刷工房を手放す羽目に陥ってしまったと言われます。

日本においても事情は似ているようで、世界最古の印刷物と呼ばれたりする『百万塔 陀羅尼』は、770年頃に印刷が行われておりますが、仏教寺院に配布する以外に需要がなく、当時の印刷技術がこの後も普及した記録がありません。出版が商業化し読書の大衆化が始まったのは、江戸の大都市が出現する江戸時代まで待たねばなりませんでした。

この時代より蔵書家とよばれるような人々が登場してくるようになります。

 

以下に江戸の蔵書家ランキングを記して起きます(仮定)

 

1.守村次郎兵衛(もりむらじろべえ)  浅草蔵前 札差で俳人・画家 和漢の蔵書10万巻 号:十万巻楼

2.阿波国徳島藩の第11代藩主 蜂須賀 治昭(はちすか はるあき) 和漢の蔵書6万巻

3.塙 保己一(はなわ ほきいち)国学者 蔵書皇朝学の書物6万巻計り

4.屋代 弘賢(やしろ ひろかた) 江戸幕府御家人 上野不忍池のほとりに蔵書5万巻 号:不忍文庫

5.小山田与清(おやまだ ともきよ) 江戸時代後期の国学者 蔵書5万巻

6.朽木(くつき)詳細不明 西久保に住んでいた 旗下の士 兵庫(つわものぐら)の蔵書3万巻余り

7.岸本 由豆流(きしもと ゆずる) 江戸時代後期の国学者 蔵書3万巻

8.古賀 侗庵(こが どうあん) 江戸時代後期の漢学者 蔵書1万巻余り 号:万巻楼

9.狩谷 棭斎(かりや えきさい) 江戸時代後期の考証学者

10.伴信友(ばんのぶとも) 江戸後期の国学者

その他. 江戸で最も本が多く所蔵されていたところ:昌平坂学問所(神田湯島に設立された江戸幕府直轄の教学機関:湯島聖堂)


新刊書の宣伝

『日本における書籍蒐蔵の歴史』

川瀬 一馬 著
吉川弘文館

2019年7月15日 発売予定

 

中世の金沢文庫に始まり、豊臣秀次・徳川家康・近世大名や文人の収書、近代の安田文庫や好事家の収集と現代に到るその蔵書の歴史をたどる。多くのコレクションにかかわった、書誌学の第一人者による日本文化史の試み。

目次
第一部

(はじめに/金沢文庫の和漢典籍蒐集/金沢文庫散佚/関白秀次の典籍蒐集と金沢文庫/徳川家康の蒐集(駿河御文庫) 附徳川義直(尾張敬公)の蒐書/水戸光圀と前田綱紀の蒐書/脇坂安元と松平忠房の蒐書/江戸初・中期の蔵書家/江戸時代後半個人の蔵書/江戸時代後半諸侯の蔵書)

第二部

(旧安田文庫のことなど/明治時代前半の蒐書/明治三十年頃の学儒・好事家の蒐書)/附録(徳富蘇峰旧蔵『成簣堂文庫善本書目』の序文/西荘文庫旧蔵善本附記/安田文庫購入西荘善本評価書目/高木文庫譲受けの分)/掲載写真一覧/わが国における書籍蒐蔵の歴史*講義概要/川瀬一馬先生の〈幻の金沢文庫論〉…岡崎久司/索引(人名、文庫・書店名、文献名)

三省堂古書館 初夏の古書市 出店のお知らせ

三省堂書店 神保町本店 8F特設会場にて初夏の古書市が開催中です。

2019年6月7日(金)~24日(月)まで開催しております。

 

哲学堂書店は今回 初参加させていただきました。

 

前回の国分寺大古書市で出品していた商品は文庫・新書以外は全て半額セールにしております。

初夏の古書市では、新しい在庫の追加はもちろん、美術系書籍を追加いたしました。

リアルタイムでのワゴン画像は改めてTwitterにてお知らせいたします。

ぜひお立ち寄りください。

哲学堂書店 浦山幹生

Eccube3&Eccube4 category titleの変更(&keyword search)

 

Eccube3,4には標準で商品検索と一度にいくつ表示させるかの表示個数、そして新着順などのソート機能がついております。

多くのショッピングカートではもはや当たり前の機能ですが、よくよくみてみると表示個数の変更や順序の変更をしても、タイトルが一切変わらない、どれもまったく同じタイトルでページが表示されおります。

そこに手を加えてみようというのか今回の記事です。

 

目標

①現在何ページ目を表示しているのか

②一度に何個表示なのか

③何順で表示しているのか

この三つをタイトルに埋め込み、常にオリジナルのタイトルとなるように変更してみます。

 

twigファイル(app/template/default/Product/detail.twig)の変更により各カテゴリーのタイトルを動的に変更することも考えられますが、この際 キーワード検索においても同様にタイトルを変更できれば楽なので、ProductController.phpに手を加えてみます。

src/Eccube/Controller/ProductController.php 変更前

/**
 * ページタイトルの設定
 *
 * @param  null|array $searchData
 *
 * @return str
 */
private function getPageTitle($searchData)
{
    if (isset($searchData['name']) && !empty($searchData['name'])) {
        return trans('front.product.search_result');
    } elseif (isset($searchData['category_id']) && $searchData['category_id']) {
        return $searchData['category_id']->getName();
    } else {
        return trans('front.product.all_products');
    }
}

のページタイトルの設定部分に手を加えてみます。

 

追加変数

$searchname : 入力された検索キーワードを取得

$pageno : 表示中のページ数を取得

$orderby : ソート方法を取得(価格の高い順・価格の低い順・新着順)

 

下記のように変更することで、検索・カテゴリー・全商品で条件を満たすタイトル表示できるようになります。

src/Eccube/Controller/ProductController.php 変更後

/**
     * ページタイトルの設定
     *
     * @param  null|array $searchData
     * @return str
     */
    private function getPageTitle($searchData)
    {
    if(empty($searchData['pageno'])){
       $pageno = 1;
    }else{
       $pageno = $searchData['pageno'];
    }
    $disp_number = $searchData['disp_number'];
    $orderby = $searchData['orderby'];
        if (isset($searchData['name']) && !empty($searchData['name'])) {
            $searchname = $searchData['name'];
            return "$searchname の検索結果 $pageno ページ目 $disp_number 表示 $orderby";
        } elseif (isset($searchData['category_id']) && $searchData['category_id']) {
            $category = $searchData['category_id']->getName();
            return "$category $pageno ページ目 $disp_number 表示 $orderby";
        } else {
            return "全商品 $pageno ページ目 $disp_number 表示 $orderby";
        }
    }

哲学堂書店 浦山幹生